他者の想いに心を寄せる

ブログ記事 他者の想いに心を寄せる
記事内容 昨年の9月から、大田区が運営しているシニアの方たちが集う場所での朗読クラスを、月二回、半年間依頼されていました。
そこでは19名の60代から80代の方々が、いつも出席率良く参加してくださっていました。
大半の方が、最初は声に緊張があって、読んで頂いても聞き取りにくい場面もありましたが、5回目くらいからだったでしょうか、その頃から皆さんの声がたいへん通るようになりました。
 
 
年末のレッスン風景 ふたつのグループに分かれて、それぞれに群読の発表をしてもらいました
 
 
 
朗読クラスでは、「準備運動」「発声練習」「外郎売(滑舌練習)」「スピーチ」などの体験と「詩」「童話」「新聞のコラム」「エッセイ」などを時間の許す限り朗読してもらいました。
1時間半という限られた時間の中でしたから、19名の方になるべくたくさんの作品に触れてもらえるよう、教材づくりに努力してきたつもりです。
大勢いらっしゃると、当然細かいご指導まではできないのですが、それでも他の方の読み方が参考になったり、勢いになったりして、皆さんの読み方はどんどん生き生きと表情豊かなものになっていき、その様子は大勢でのレッスンならではのもでした。
 
時には、「読む」ことだけでなく、作品への感想を思い思いに語って頂いたり、ご自分のことについてお話いただくこともありました。
そうこうしているうちに、打ち解け、心が通い合い、当初は、声を出すことで皆さんが元気になってくださるといいな、という気持ちだったのが、知らず知らず私が元気をもらうようになり、月二回、皆さんのお顔をみることがたいへん楽しみになってまいりました。
 
前回は受講者さんからのリクエストで
茨木のり子「わたしが一番きれいだったとき」
を読んでもらいました。
読後、お一人ずつに
「ご自身がいちばんきれいだったときはいつでしたか?」
と質問しました。
すると、ほとんどの方が
「今だと思います」
とおっしゃいます。
そして
「色々ありましたが、今がいちばん幸せだからです」
と、ほぼ、皆さんが等しく言われました。
誰ともなしに、ひとりひとりのお答えに拍手が沸きました。
私は、それぞれの方の人生の重さを感じ、同時に、本当に皆さん「きれい」だな、と、胸が熱くなりました。
60年以上生きてこられた方々には、たくさんの抱えきれないご苦労があったに違いありません。
それなのに、笑顔を絶やさないで前を向いている。
それこそが真の「きれい」なのだと心から思いました。
 
人生の先輩に半年間励まされ、改めて、朗読で大切なのは、人の心を深く知ることだと思い知りました。
作者の代弁者、語り部である以上、物語の心が理解できずに聞き手に届けることはできません。
朗読の勉強は、優しさの勉強なのですね。
まだまだ私にも努力が必要です。
 
 
 
 

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